効果的な英語学習のヒント
英語に限らず、外国語の効率的な学習法の一つに、
自分の好きなことをテーマに学ぶ、という方法があります。
例えばサッカーが好きなら、自分の好きなチームについての英語の記事を読むとか、
音楽が好きなら外国人アーティストの歌詞を原語で学んでみるとか…
好きなことなら学ぶこと自体が楽しくなり、きっと長続きすると思います。
と言うことで、英語を学ぶと言うより、
英語「で」色々なことを学ぶきっかけとなれば、と思い、
算数や理科・社会・音楽など、小学校で習う教科を題材に取り上げて、
簡単な英語クイズを作ってみました。
日頃身近に感じている単語でも、いざ「英語で言えるか」となると、
意外と知らない…ということが多いのでは?
まずはゲーム感覚で挑戦してみてください!
目次
英語で算数に挑戦!
以前ICU(国際基督教大学)のある教授に聞いた話ですが、
「外国語を学ぶときは、その言語でものを考えるクセをつけると良い。
オススメなのは、簡単な計算を頭の中でずっと考えていることだ」
とのことでした。
例えば電車に乗っている時などに、「2+3=5、6×4=24、54÷6=9…」のように、
思い付くままに頭の中で英語で唱えてみる…という感じです。
…というところで、もう引っかかる方もいらっしゃるかも知れません。
これらの計算式、英語で正しく言えますか?
いくつか言い方はありますが、中学校で教えそうな書き方だと;
・2+3=5:Two plus three equals five.
・6×4=24:Six times four equals twenty-four.
・54÷6=9:Fifty-four divided by six equals nine.
…という感じでしょうか。”equals”の代わりに”is”とか”are”と言うこともあるし、
かけ算は”times”の他に”multiplied by”という言い方もあるし、割り算も”over”も使えるし…
二桁の数字も、”twenty-four”のようにハイフン(-)を付けるのが正式表記とされているようですが、
いま日常目にする英文では、ほとんどが”twenty four”のようにハイフン無しだし…
どれが間違いという訳ではなく、色々な言い方・書き方がある、という感じです。
ご自分のやりやすい方法で、「頭の中で唱える」をやってみてはいかがでしょうか。
問1:四則演算
以下の単語を英語で言えますか?
①足し算
②引き算
③掛け算
④割り算
上に出て来た”plus”とか”minus”とかは、使いません。掛け算・割り算は、上の「計算式」の英語が大きなヒントになります。お分かりになりますか?
答1:
①足し算:addition “add”は加える・合計するという意味の動詞で、その名詞形
②引き算:subtraction 足し算と同様、“subtract”(引く・減じる)の名詞形
③掛け算:multiplication “multiply”(増やす、掛ける)の名詞形
④割り算:division 「部署」みたいな意味もありますが、”divide”の名詞形
いかがでしょうか。
英語で学校教育を受けたことがないと、あまり目にしないかも知れませんね。
知らなかったという人も多いのでは?
音楽好きな方は、もしかするとイギリス人シンガーのエド・シーラン(Ed Sheeran)さんの
アルバムタイトルで知ってる、という方もいらっしゃるかも?
また“multiplication table”と言うと、日本で言う「九九の表」みたいなもの。
英米では、12×12の表が一般的だったりします。
これは十二進法(duodecimal)の名残と思われます。
現在の世界の主流は十進法ですが、一年は12ヶ月だし、一日は12×2で24時間、
1ダース(12個)や1グロス(12ダース=144個)などという単位もあるし…
実はとても身近なものなんです。
英語で数を数えるとき、10:ten、11:eleven、12:twelveまで「一語」の単語があるのも、
12進法の名残と言われています。
13:thirteen以上は「10+3」が元になっていて、一語の単語ではない、という訳です。
「十二進法を主流にしろ」と主張する人々もいて、そういう人は
「”duodecimal”という呼び名は、十進法(decimal)のついでみたいでイヤだ」
と言って、”dozenal”という言い方をするそうです。
1ダースを英語では”dozen”と表記しますが、「1ダース基準」ということで”dozenal”です。
さて、今は四則演算でしたが、その結果求められる「答え」は、英語で言えますか?
問2:和・差・積・商
以下の単語を英語で言えますか?
①和(足し算の結果)
②差(引き算の結果)
③積(掛け算の結果)
④商(割り算の結果)
…まず第一に「和・差・積・商」を忘れていた、という方もいらっしゃるかも?(^ ^;
英語でも、馴染みのない方が多いかも。
答2:
①和:sum
②差:difference
③積:product
④商:quotient
“sum(和)”は、コンピューターでエクセルなどを使う方は、
「ここからここまでの数字を足す」という関数でよく目にするかと思いますが…
他は見たこともない、という方もいらっしゃるのでは?(^ ^;
③の”product(積)”など、工場で何か製品を作っているような印象ですが(^ ^;
The product of 6 and 2 is 12.(6掛ける2の積は12)
みたいな使い方をします。
せっかくなのでもう少し、今出てきた「関数」は、英語で言えますか?
問3:身近な言葉が数学用語?
以下の単語を英語で言えますか?
①関数
②面積
③m2(平方メートル)
④体積
⑤m3(立方メートル)
正解は、結構カタカナでも身近な単語です。ただ、知らないと、結びつかないかも…
答3:
①関数:function
②面積:area
③m2:square meters
④体積:volume
⑤m3:cubic meters
エリアとかボリュームとか、もう日本語として定着してますよね。
でも、面積とか体積とかいう意味があるということは、意外と知られてなかったりします。
①の”function”ですが、日本語の「関数」は元々は「函数」と書き、これは中国語から輸入された単語です。
fそして中国語の「函数」自体が、英語の”function”の「音」を漢字で表したもの。
ということは、日本語の「関数」は、英語の”function”が「流れ着いた」ものと言えます。
「かんすう」と「ふぁんくしょん」、何となく音も似てると思いませんか?(^ ^;
※中国語読みだと、さらに「ふぁんくしょん」に近い音です
問4:日本語ではよく使うけど…?
以下の単語を英語で言えますか?
①四捨五入
②素数
③四角形
④楕円形
⑤球(きゅう)
①四捨五入は、日常会話でもよく出てきます。
③はちょっとだけ「引っかけ」と言えるかな…
⑤も、”ball”ではなく、「球体」という意味の単語…分かりますか?
答4:
①四捨五入:四捨五入する、という動詞が”round”
②素数:prime number
③四角形:quadrangle
④楕円形:oval または ellipse
⑤球(きゅう):globe または sphere
①は、日本語でも「端数を丸めて」という言い方をしますが、それと全く一緒です。
名詞だと”rounding”。
ちなみに切り上げは”round up”、切り捨ては”round down”と言います。
③の四角形、意外と多くの方が”square”と思っているようですが、”square”は「正方形」のこと。
ちなみに長方形は”rectangle”、”quadrangle”は辺の長さや角度に関係なく、
どんな四角形でも”quadrangle”です。
三角形を”triangle”と言う、”tri”が「3」のことで、”quad”が「4」のこと、
どちらもラテン語がベースですね。
④楕円形は、日常会話ではほぼ”oval”でいけると思います(^ ^;
“ellipse”も⑤の”sphere”も数学用語で、学校の外ではあまりお目にかかりません。
ちなみに⑤の”globe”も”sphere”も、語源は「地球」から来たようです。
地球が球体の代表なんですね(^ ^
“glove”には「地球儀」という意味もあります。
終わりに
いかがでしょうか。いくつお分かりになりましたか?
ここに取り上げた単語は、日本語ではよく目にするけど、
あまり学校で習わないものだと思います。
冒頭の「頭の中で数式を唱える」のと同じように、
日常生活の中で目にするものを「これを英語で言えるかな」と自問するのも、
外国語の習得には有効です。
そしてちょっと分からない単語があったら、すぐ辞書を引くことを習慣づけると、
どんどん語彙力をつけることができます(^ ^
無理やり覚えさせられるのではなく、自分で興味・疑問を持ったことを能動的に調べていくと、
きっと覚えるのも早いと思います。
一度調べた単語を忘れてしまっても、二度・三度と引いていく内に、
「これ、前にも調べたな」という記憶と共に定着すると、不思議と忘れなくなります。
ぜひ色々なものに興味を持って、英語に結びつける「クセ」をつけてください!