効果的な英語学習のヒント
英語に限らず、外国語の効率的な学習法の一つに、
自分の好きなことをテーマに学ぶ、という方法があります。
例えばサッカーが好きなら、自分の好きなチームについての英語の記事を読むとか、
音楽が好きなら外国人アーティストの歌詞を原語で学んでみるとか…
好きなことなら学ぶこと自体が楽しくなり、きっと長続きすると思います。
と言うことで、英語を学ぶと言うより、
英語「で」色々なことを学ぶきっかけとなれば、と思い、
算数や理科・社会・音楽など、小学校で習う教科を題材に取り上げて、
簡単な英語クイズを作ってみました。
日頃身近に感じている単語でも、いざ「英語で言えるか」となると、
意外と知らない…ということが多いのでは?
目次
英語で理科に挑戦!
今回は英語で理科に挑戦してみましょう。
「夏休みの自由研究」で、星空の観察やアサガオの成長日記などを
書いた人というも多いかと思いますが…
さて、「星座」とか「アサガオ」って、英語で言えますか?(^ ^
問1:星空・天文に関する言葉
以下の単語を英語で言えますか?
①流れ星
②三日月
③土星
④星座
⑤銀河系
いかがでしょうか。特に理科系の話でなくても、日常でよく出てくる単語だと思いますが…
あまり学校では習わないかも知れませんね。
①や②は、歌の歌詞などでご存じの方もいらっしゃるかも?
③は、意外と知らない人多いかも。火星はマースで木星はジュピターで…
くらいまでは一般的かも知れませんが…
さて、土星は?(^ ^
答1:
①流れ星:shooting star(falling starや、meteorとも)
②三日月:crescent(crescent moonとも)
③土星:Saturn
④星座:constellation(星占いの星座はsignを使います)
⑤銀河系:the galactic system
①の流れ星、meteorはやや「固い」イメージ。「隕石」に近いような。
学術的な話をするときに出てきますが、
日常会話ではほとんど”shooting star”でいけると思います。
鉱物としての隕石は” meteorite”と言います。
②の”crescent”は、形容詞として「三日月型の」と言う意味でも使います。
フランス語では「クロワッサン」。
三日月型のパンのクロワッサンと、同じ言葉です。
③土曜日をSaturdayと言うのは、土星のSaturnから来ています。
ときどき勘違いされるようですが、「悪魔」のサタンは”Satan”で、
全くの別物です。
ちなみに月曜日のMondayは月のMoonから、
日曜日(Sunday)は、当然太陽のSunから来ています。
④の星座は、「オリオン座」「アンドロメダ座」などの、
宙にあって見上げるもののこと。
「私の星座はやぎ座です」みたいな星占いの話では、
My sign is Capricorn.
のように”sign”を使います。
「あなたの星座は何ですか」は、
”What is your sign of the zodiac?”などと聞きます。
星座の成り立ちは、古代メソポタミアの羊飼いが考えたものが、
古代ギリシャに伝わり、ギリシャ神話と結びついたものが
ベースになっています。
③の土星の”Saturn”も、ローマ神話の農耕神
サトゥルヌス(Saturnus)から来ているそうです。
問2:植物・花の名前を英語で言えますか
以下の単語を英語で言えますか?
①ヒマワリ
②アサガオ
③ハス
④アジサイ
⑤ほおずき
夏の花を集めてみました(^ ^
ヒマワリは有名かな。
アサガオも、聞けば「あぁ、そうか」と思うような感じかと(^ ^
③のハスは、外車好きな方は分かるのでは?
答2:
①ヒマワリ:sunflower
②アサガオ:morning glory
③ハス:lotus
④アジサイ:hydrangea
⑤ほおずき: ground cherry(Chinese lanternとも)
①のヒマワリは、そのまんま「太陽の花」。
②の”glory”は、「栄光」とか「栄誉」などの意味。
「朝の栄光」とは、ずいぶんご大層な…とも思いますが(^ ^;
④アジサイの”hydrangea”の前半は、水を表す”hydro”から来ています。
”hydro power”で「水力発電」、自動車の免許を取るときに必ず習う
「ハイドロプレーニング現象」も、同様です。
「水の花」という感じでしょうか。
⑤日本のほおずき市で売っているようなほおずきは、
実は日本固有のもののようです。
ほおずきの仲間は100種類くらいあり、アメリカやヨーロッパにもあるようですが…
それでも、なぜ「チャイニーズ・ランタン」と言うのかと言うと、
中国のお祭などで使う提灯に似ているから、のようです。
ちなみに日本でも、ほおずきを漢字で書くと「鬼灯」と書いたりしますね。
これは幽霊が持ってる提灯のイメージでしょうか(^ ^;
問3:昆虫・生物の名前
以下の単語を英語で言えますか?
①バッタ
②ホタル
③カマキリ
④テントウムシ
⑤カタツムリ
夏休みになると、虫取りに夢中になっていた、という方も多いのでは?
定番は「カブトムシ」ですが、英語だとカブトムシもクワガタもカナブンも、
一般には全部”beetle”で済んでしまうので…クイズになりません(^ ^;
正確に言うと、クワガタムシは”stag beetle”で、カナブンは”drone beetle”、
コガネムシは”scarab beetle”など、もちろんそれぞれに英単語はあるのですが…
これ、ネイティブに聞いても多くの場合「分からん。全部”beetle”」と
言われてしまったりします(^ ^;
日本人ほど、カブトムシ類に興味がないのでしょうか…
答3:
①バッタ:grasshopper
②ホタル:firefly
③カマキリ:mantis
④テントウムシ:ladybug
⑤カタツムリ:snail
①の”grasshopper”は、上記”beetle”と同じように、
バッタもイナゴもキリギリスも、全部”grasshopper”でいけます(^ ^;
③のカマキリは、両手(?)のカマを合わせる様が、
「お祈り」をしているように見えるのか、
”praying(お祈りをする) mantis”とも言います。
④の”ladybug”は、直訳すると「淑女の虫」。
これは、名前の由来が聖母マリアから来ているから、という説があります。
聖母マリアが赤いマントをまとっていることが多いので、
赤い虫の代表である(?)テントウムシにこの名が付いたとか。
ちなみに漢字で書くと「天道虫」で、
お天道様(太陽)に向かって飛んでいくイメージから来ているそうです。
聖母マリアもお天道様も、どちらも「縁起が良い」ものなので、
殺したりしないように、と言われています。
害虫を食べるテントウムシは、世界中で大切にされているようです。
問4:鉱物・金属の名前
以下の単語を英語で言えますか?
①銅
②鉛
③ブリキ
④水晶
⑤ハンダ
オリンピックの影響で、金銀銅は毎日目にしておりますが、
さて、英語では?
金はゴールド、銀はシルバーで、銅は…分かりますか?(^ ^
⑤のハンダは、電子工作などでやる「ハンダ付け」のハンダです。
鉛と錫の合金ですね。
漢字では「半田」とも「盤陀」とも書くようですが…さて、英語では?
答4:
①銅:copper
②鉛:lead
③ブリキ:tin または tinplate
④水晶:crystal
⑤ハンダ:solder
①の銅は、元素記号が「Cu」なので、
うっかり”cupper”と書きそうになりますが…なりませんか?(^ ^;
英語では”copper”です。元素記号はラテン語の”cuprum”から来ているそうです。
ちなみに「銅メダル」は、英語では”bronze medal”。
「ブロンズ」は「青銅」で、銅と錫の合金です。
②の”lead”ですが、これは「リードする」の”lead”と同じスペルですが、
発音が違います。カタカナで書くと「レッド」という感じ。
よく「無鉛ガソリン(unleaded gasoline)」のように
「鉛は入ってません」という形で目にします。
③のブリキは、ちょっと引っかけっぽいでしょうか。
”tin”は本来は「錫(すず)」ですが、
ブリキというのが鉄板に錫をコーティングしたもの。
なので割とごっちゃになっていて、ブリキ缶は”tin can”だし、
オズの魔法使いの「ブリキマン」は”tin man”です。
ちなみに”tinman”と一語になると「ブリキ屋さん」という意味があるとか。
さらに言うと、映画や舞台では”tin man”と呼ばれることが多いですが、
原作では”tin woodman(ブリキの木こり)”がオリジナルのようです。
④クリスタルは有名なので、誰でもご存じと思いますが、
水晶時計のことを「クリスタル時計」ではなく「クオーツ時計」と言うのは、
何故だかお分かりですか?
“quartz”を辞書で引くと「石英」と出てきます。
実は石英も水晶も、二酸化珪素が固まったもので、
乱暴に言うと「同じもの」とも言えます。
違いは、六角形の結晶が綺麗にできているものが水晶、
ごちゃっと固まったものを石英と呼ぶようです。
水晶は宝石に、工業用に使うのは石英、という感じでしょうか。
⑤ハンダは、電気関係に興味がないと、
日本語でも出会わないかも…ですが(^ ^;
英語で「機械の修理」の話をするときなどに役立つと思います!?(^ ^;
ちなみにハンダごては、”soldering iron”と言います。
「ハンダ用のアイロン」って感じです(^ ^
終わりに
理科は範囲がとても広いので、まだまだ色々と書きたいことはありますが…
ご紹介した言葉のうち、どれか一つでもご興味を持っていただけたら、
またそれをきっかけに自分の趣味・好きなものを通して
英語を楽しく学んでいただけるようになったら、とても嬉しく思います。
英語を学ぶとき、ただ言葉だけを学ぶのではなく、
その歴史的背景や地理的な特徴、他の言語との違いや類似性など、
色々と興味の対象を広げて学んでいくと、楽しく覚えられて絶対に忘れません。
学生のうちは「英語ができる」ことだけでも強みとなりますが、
社会に出ると求められるのは「英語で何ができるか」です。
日本での就職活動でも、日本語を話せるだけで
みんな合格できる訳ではありませんよね?
日本語が話せるのは当たり前で、さてそこでどんな能力があるか、
何ができるのか、を評価されます。
英語でも全く同じことが言えます。
英語が話せるだけの人なら、世界にも日本にもたくさんいます。
英語で○○ができます! と言えるようになるためには、
ただ言葉として学ぶだけではなく、他の色々な知識や経験と絡めて、
複合的・立体的に理解するよう目指してみてはいかがでしょうか。
MLSの講師・スタッフ一同、全力でお手伝いさせていただきます!