効果的な英語学習のヒント
英語に限らず、外国語の効率的な学習法の一つに、自分の好きなことをテーマに学ぶ、という方法があります。例えばサッカーが好きなら、自分の好きなチームについての英語の記事を読むとか、音楽が好きなら外国人アーティストの歌詞を原語で学んでみるとか…
好きなことなら学ぶこと自体が楽しくなり、きっと長続きできます。
日頃身近に感じている単語でも、いざ「英語で言えるか」となると、意外と知らない…ということが多いのでは?
目次
英語で音楽
今回は音楽。クラシック系の楽器レッスンを受けたことがある方は、様々な音楽用語を「原語で」学んだと思いますが、日本で習う場合はほとんどがイタリア語だと思います。”アレグロ”も”クレッシェンド”も” ポコ・ピウ・モッソ”も、みんなイタリア語。さて、英語ではどうでしょうか。
私の経験だと、「英語が得意だ」という人でも、意外と身近な音楽関連の言葉を英語で言えないケースが多いようです。「音楽用語」という程ではなくて、楽器を習ったことがない人でも知っているような言葉が、意外と英語で言えない。
…ということで、早速クイズをスタートします。
問1:小学校の音楽の時間で習ったと思います
以下の単語を英語で言えますか?
①ト音記号
②音符
③五線紙
④小節
⑤ハ長調
いかがでしょうか。楽器を習ったことがなくても、日本語では見聞きしたことがあると思いますが…
①のト音記号、元々は五線譜上で「ここが『ト』の音ですよ」と指定するための記号です。
「ト」の音とは、音階の日本語表記で、ドレミファソラシドの代わりに「ハニホヘトイロハ」で表した、ドレミで言う「ソ」の音。
ドレミ音階を英語で表すと「CDEFGABC」となるので、「ト」つまり「ソ」の音は英語で「G」になります。これが大きなヒントです(^ ^
答1:
①ト音記号:G clef
②音符:note
③五線紙:music paper
④小節:bar
⑤ハ長調:C major
ちなみに主に低音部を表すときに使う「ヘ音記号」は、同様に”F clef”となります。
②の”note”は、ノートブックの”note”と区別するために、”music note”と言うことも。
ちなみに、アニメ映画「ドラえもん のび太の恐竜2006」のテーマソングになった、スキマスイッチさんのヒット曲に「ボクノート」というタイトルの曲がありますが… このタイトルの「ノート」は、音符の「ノート」と「走り書き」のノート、そして「僕の音(ボクノオト)」の三つの意味を掛けているとか。深いです(^ ^
問2:楽器の名前を英語で言えますか
以下の単語を英語で言えますか?
①大太鼓
②小太鼓
③木琴
④コントラバス
⑤指揮棒
⑤の「指揮棒」は、果たして楽器か…という声が聞こえてきそうですが(^ ^; 楽器の名前は、多くが英語のまま日本語でも使われているので… 例えばバイオリン、ピアノ、トランペット、チェロなどなど… なかなかクイズにならなくて(^ ^; 苦肉の策です(^ ^;
①大太鼓:bass drum
②小太鼓:snare drum
③木琴:xylophone
④コントラバス:double bass
⑤指揮棒:baton
②小太鼓の”snare drum”は、裏側に鎖のような「響線」が張ってあるもの。”small drum”と言っても通じるようですし、①の大太鼓も”big drum”とも言うようです。いわゆる「ドラムセット」だと、一番大きくて足でペダルを踏んで鳴らすのは”bass drum”、”snare drum”の響線のことは「スナッピー」と呼ぶのが一般的です。
⑤指揮棒は、よく「タクト」と呼びますが、これはドイツ語。英語では「バトン」なんですね〜… そう言えば鼓笛隊の先頭には、よく「いわゆるバトントワリングのバトン的なもの」を持った人がいるような。
問3:音楽のジャンルなど
以下の単語を英語で言えますか?
①管弦楽
②吹奏楽
③室内楽
④民謡
⑤民族音楽
①は、多くの方がご存じか、知らなくても想像はつくのでは(^ ^ ②は、知らないとちょっと意外に思われるかも知れません。
④は、日本だとちょっと違う意味に取られるかも? お分かりになりますか?
答3:
①管弦楽:orchestral music
②吹奏楽:wind music(wind-instrument musicとも)
③室内楽:chamber music
④民謡:folk song
⑤民族音楽:ethnic music.
②の吹奏楽は、「風(=wind)」の音楽と言うんですね〜(^ ^ 何だかオシャレ(^ ^ 同様に、管楽器・吹奏楽器のことを”wind instrument”と言います。
人が吐く息のことを英語で”breath”と言いますが、なぜか”breath instrument”とは言いません。
④の”folk song”、日本でフォークソングというと「アコースティックで静かめな音楽」のイメージがあると思いますが…そういうものも”folk song”と言ったり、民謡と区別するために”modern folk song”と言ったりするようです。
“ethno”が「民族・人種」という意味で、その形容詞形が”ethnic”なので、フランス料理でもロシア料理でも、もちろん和食も、民族料理と呼べるものは全て”ethnic food”と言えるのですが… どこでどう間違って広まったのでしょうか(^ ^;
同様に、日本の邦楽も、立派な”ethnic music”です。
終わりに
いかがでしょうか。いくつお分かりになりましたか?
この原稿を書き始めて、色々調べながら、音楽用語は「日本語の方が浸透してない」ものが多いな、と改めて感じました。
ギターの「コード(chord)」とか「アルペジオ(arpeggio:イタリア語)など、日本語で「和音」とか「分散和音」とか言わないよな〜…とか(^ ^ 「ワルツ」「バラード」「リズム」などなど、むしろ「日本語が分からない」ものも多くて(^ ^; 問題を作るのに苦労しました(^ ^;
これは、日本に入ってきた時期と経路によって、どの原語が定着したかが違う、という事情があるようです。
これは音楽用語に限らず、また土地柄も大きく関係してくるようです。例えば九州のお年寄りが「縁台」のことを「バンコ」と言ったりしますが、これはポルトガル語で「長椅子」の意味で、長崎の出島経由で伝わって…とか、色々調べてみると面白いと思います。